新型コロナウイルス抗体検査とは?
新型コロナウイルスIgG抗体とは新型コロナウイルス感染後、ワクチン接種後に血液中に出現する免疫物質です。この抗体は、体内に侵入した新型コロナウイルスを攻撃して、私達の体をウイルス感染や発症、および重症化から守ってくれます。そのため、抗体検査は現在新型コロナウイルスに感染しているか否かを判定するものではありません。抗体検査を行う主な理由は以下の通りです。
- 過去の無症状の感染があったのか確認したい。
- 過去に感冒様症状があって自然に改善したが、新型コロナウイルス感染であったのか確認したい。
- 感染後あるいはワクチン接種後は時間経過とともに抗体価は低下するが、現在どの程度の抗体価が維持されているのか確認したい(ただし、どの程度の抗体価があれば感染リスクが減るのか確定的なことは不明です:参考データは後述)。
抗体価の測定法
静脈から3mL採血し、アボット社のARCHITECT SARS-CoV-2 IgGⅡQuantで測定します。測定の精度は、感度99.35%、特異度99.6%とされています。
検査精度は高いのですが、過去の感染やワクチン接種をして体内に抗体が産生できていても、1000人中6~7人は抗体陰性との結果が出てしまいます。また、実際には抗体を保有していなくても、1000人中4人は抗体が存在するとの結果になる可能性があります。
検査申し込み方法
予約制となります。お電話にてお申し込みください。
黒沢病院附属ヘルスパーククリニック
高崎健康管理センター 027-353-2277(受付時間:月曜~土曜 9:00~18:00)
費用
自由診療で、費用は5,500円(税込)です。
検査結果報告
採血日より7日以内に郵送でご報告致します。ただし人間ドックでのオプション検査の場合は、ドック結果報告書に同封してご報告致します。
抗体価についての参考データ
アボット社の報告によると、抗体の力価を定量する一般的な方法(プラーク減少中和試験)で、抗体価が4160 AU/mL以上であれば、95%以上の確率でウイルスを中和できる(感染細胞数が対照群と比べて半分となる)とされています。
ただし、ウイルスに対する体の抵抗力(免疫)には、抗体などの液性免疫と、感染細胞を破壊してウイルス増殖を防ぐ細胞性免疫があります。抗体価は前者の指標であって、後者による防御力については判りません。ワクチンを接種して3ヵ月以上経つと、多くの人で抗体価が4160 AU/mLを下回りますが、ワクチン接種後に新型コロナに感染して重い症状となる人は稀ですので、抗体価が低下しても、ウイルスに対する抵抗力は残っている可能性があります。