手術支援ロボット「ダヴィンチXi」を導入いたしました
このたび当院に手術支援ロボット「da VinciダビンチXiⓇ」が導入され (2022年3月) 、泌尿器科における前立腺癌、腎癌に対するロボット支援腹腔鏡下手術を2022年6月から開始しました。
当院泌尿器科では2018年度から腹腔鏡手術を開始し、前立腺癌や腎癌などに対する腹腔鏡手術を150件以上施行してきました。ロボット支援下手術は腹腔鏡手術をさらに発展させたもので、従来の腹腔鏡手術と同様に手術の傷が小さく出血が少ない等、身体に負担が少ない特徴をもちながら、手術支援ロボットを医師が操作することで体内でより繊細な手術を行うことが可能です。
日本では2012年から前立腺癌に対するロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術が最初の保険適応となり、2016年からは腎癌に対するロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術が保険適応に追加となり、泌尿器科の手術を中心に普及してきました。現在では泌尿器科以外の手術も含め、手術適応が広がっています。
手術支援ロボットはインテュイティブサージカル社のダビンチがシェアのほとんどを占めており、当院に導入されたダビンチXiはその中でも最新、最上位機種となります。ダビンチは2021年末時点で従来機種も含めると日本国内に約450台が導入されていますが、群馬県内では当院を含めダビンチが導入されている病院は基幹病院を中心に現在6病院のみとなっています。
ロボット支援下手術を行うために医師、手術室看護師、臨床工学技士による手術チームが他施設への手術見学や器具の扱いについてのトレーニング、手術のシミュレーションなどを行い、担当医師は所定のトレーニングを修了することでライセンスを取得しています。また保険診療としてロボット支援下手術を行うためには所定の手術件数を経験していることなどの施設基準を満たす必要があります。当院は前立腺癌および腎癌に対するロボット支援下手術の施設基準を取得しておりますので、安心して治療をお任せ下さい。
低侵襲ロボット支援手術とは?
低侵襲ロボット支援手術は患者様の負担が少ない腹腔鏡手術と同じようにいくつかの小さな切開部を作り、外科医の操作に従って内視鏡・メス・鉗子を動かして行う内視鏡手術です。
低侵襲手術支援ロボットダビンチ(daVi nci )サージカルシステム
ダビンチは、低侵襲技術を用いて複雑な手術を可能とするために開発されました。高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像の下、人間の手の動きを正確に再現する装置です。
術者は鮮明な画像を見ながら、人の手首よりはるかに大きく曲がって回転する手首を備えた器具(鉗子)を使用し、精緻な手術を行うことができます。ロボット支援手術は完全に医師の操作によって実施されます。
低侵襲ロボット支援手術の特長
1.体への負担が少ない
数カ所の小さな切開部から手術を行うため、傷が小さく、出血も抑えられ、手術後の回復が早く、患者様の負担が軽減されます。
2.鮮明な3D(3次元)画像
コンソールモニターには高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像が映し出されます。
3.精密な動きを再現
医師がロボットアームに装着されている鉗子やメスを操作します。ダビンチの鉗子はリスト構造を持ち、人間の手より大きな可動域と手ぶれ補正機能を備えています。