病院指標とは

病院指標とは、一般的には臨床指標と呼ばれており、医療の質を具体的な数値で示し、客観的に評価することが可能なもので、医療の質評価指標（Quality Indicator：クオリティーインディケーター）とも呼ばれています。

1.目的

• 医療機関のDPCデータの質の向上
• 医療機関のDPCデータの分析力と説明力の向上

2.集計項目

• 年齢階級別退院患者数
• 診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
• 初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
• 成人市中肺炎の重症度別患者数等
• 脳梗塞の患者数等
• 診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
• その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）

３.集計条件および集計方法

• 平成30年4月1日から平成31年3月31日までの退院患者であり、一般病棟に1回以上入院した患者
• 入院した後24時間以内に死亡した患者又は生後1週間以内に死亡した新生児は集計対象外
• 自動車賠償責任保険、労災保険、自費、新規高額薬剤使用の患者は対象外
• 臓器移植（『厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法の一部を改正する件（平成28年厚生労働省告示第73号）』に規定）は集計対象外
• 患者数が10未満の場合は、-〈ハイフン〉にて表示する

平成30年度　黒沢病院　病院指標

医療法における病院等の告示規制について（厚生労働省）

年齢階級別退院患者数

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年齢 区分	0～	10～	20～	30～	40～	50～	60～	70～	80～	90～
患者数	–	20	29	61	170	316	531	731	804	258

• 年齢を10歳刻みに表示し、年齢階級は90歳以上を１つの階級としています。
• 全体人数の20％以上が70歳代、80歳代の患者様となっております。
• 当院の平均年齢は75.3歳です。

診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位5位まで）

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診療科名：泌尿器科　診療科コード：310

DPC コード	DPC名称	患者数	平均 在院日数 （自院）	平均 在院日数 （全国）	転院率	平均 年齢	患者用 パス
110080xx991x0x	前立腺の悪性腫瘍	125	2.04	2.53	0	68.93
11012xxx020x0x	上部尿路疾患	85	4.27	5.62	0	59.62
110420xx02xx0x	水腎症等	48	2.69	4.29	0	73.00
11012xxx97xx0x	上部尿路疾患	37	3.76	7.13	0	67.27
11012xxx99xx0x	上部尿路疾患	36	3.81	5.86	0	54.78

• 最も多いのは、尿管結石による経尿道的尿路結石除去術を施行した方で99名です。
• 膀胱腫瘍の症例も多く対応しています。
• 水腎症に対する経尿道的尿管ｽﾃﾝﾄ留置術や腎盂腎炎・尿路感染症による内科的治療にも対応しております。
• 当院では、5名の泌尿器科専門医にて施行しており、2018年4月より6名の体制となっております。

診療科名：脳神経外科　診療科コード：150

DPC コード	DPC名称	患者数	平均 在院日数 （自院）	平均 在院日数 （全国）	転院率	平均 年齢	患者用 パス
030400xx99xxxx	前庭機能障害	138	4.36	5.10	0	68.10
010060×2990401	脳梗塞 （脳卒中発症3日目以内、 かつ、JCS10未満）	92	19.25	16.18	21.74	67.08
010040x099000x	非外傷性頭蓋内血腫 （非外傷性硬膜下血腫以外） （JCS10未満）	76	29.16	18.72	55.26	69.01
160100xx97x00x	頭蓋・頭蓋内損傷	75	14.56	9.69	8.00	76.91
010230xx99x00x	てんかん	68	7.96	7.28	11.76	64.76

• 2014年７月より脳卒中センターを開設しております。
• 24時間対応の救急体制をとっており、血栓溶解療法（rｔ-PA)治療も行っております。
• 脳卒中疾患にて集中的な急性期治療を専門の病室で行っています。
• 急性期治療後には、在宅や社会復帰を目指し、社会福祉士を中心に近隣の医療機関への転院や施設入所の手続きをさせていただくこともあります。

診療科名：内科　診療科コード：010

DPC コード	DPC名称	患者数	平均 在院日数 （自院）	平均 在院日数 （全国）	転院率	平均 年齢	患者用 パス
040081xx99x00x	誤嚥性肺炎	95	32.12	20.92	5.26	85.02
030250xx991xxx	睡眠時無呼吸	78	2	2.04	0	56.29
060100xx99xxxx	小腸大腸の良性疾患 （良性腫瘍を含む。）	76	2	2.99	0	58.82
110310xx99xx0x	腎臓または 尿路の感染症	27	19.96	12.58	0	86.11
050130xx99000x	心不全	24	23.88	17.66	0	86.88

• 高齢の方による誤嚥性肺炎は、既往症のある方も多いため、入院期間が長期的な傾向にあります。
• 睡眠時無呼吸症候群が疑われる方へ、1泊2日にて検査入院を行っております。
• 内視鏡の大腸ポリープ切除による入院も対応しております。
• 尿路感染症や心不全の疾患にも対応しております。

診療科名：外科　診療科コード：110

DPC コード	DPC名称	患者数	平均 在院日数 （自院）	平均 在院日数 （全国）	転院率	平均 年齢	患者用 パス
060210xx99000x	ヘルニアの記載 のない腸閉塞	–	–	8.95	–	–
060160x001xxxx	鼠径ヘルニア （15歳以上）	–	–	4.96	–	–
060102xx99xxxx	穿孔または膿瘍を 伴わない憩室性疾患	–	–	7.75	–	–
060150xx99xx0x	虫垂炎	–	–	6.78	–	–
060140xx97x00x	胃十二指腸潰瘍、 胃憩室症、 幽門狭窄 （穿孔を伴わないもの）	–	–	10.58	–	–

• ヘルニアや憩室炎、虫垂炎の治療を行っています。
• 鼡径ヘルニアの手術にも対応しております。

初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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	初発					再発	病期分類 基準（※）	版数
	StageI	StageII	StageIII	StageIV	不明
胃癌	–	–	–	–	27	0	1	7,8
大腸癌	–	–	–	–	21	0	1	7,8
乳癌	–	–	–	–	–	1	1	8
肺癌	–	–	–	–	–	0	1	8
肝癌	–	–	–	–	–	–	1	7,8

※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約

• 5大癌（胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌）についてUICC国際対がん連合のTNMから示される病期分類と、再発の患者数を集計しております。
• 患者数は延べ患者数としています。
• 病期分類の結果、自院での手術、または近隣の高度医療機関へ紹介等も行っております。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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	患者数	平均在院日数	平均年齢
軽症	–	–	–
中等症	36	15.11	82.06
重症	–	–	–
超重症	–	–	–
不明	–	–	–

• 市中肺炎とは、普段の社会生活を送っている中で罹患した肺炎のことで、成人（20歳以上）を対象としています。
• 成人市中肺炎診療ガイドライン（日本呼吸器学会）による重層度分類システム（A-DROP)いて重症度分類しています。
• 当院では、高齢者による中等症の患者数が多い傾向が見られます。

脳梗塞の患者数等

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発症日 から	患者数	平均 在院日数	平均 年齢	転院率
3日 以内	359	28.38	76.19	27.76
その他	12	23.67	78.08	0.54

• 脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しております。
• 2014年7月より脳卒中センターを開設しており、24時間対応を行っているため、発症後3日以内に治療を開始する患者さんがほとんどです。
• 急性期治療後には、在宅や社会復帰を目指し、社会福祉士を中心に近隣の医療機関への転院や施設入所の手続きをさせていただくこともあります。
• 地域包括病床も設けているため、在宅や社会復帰に向けてのリハビリ加療も行っています。

診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）

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診療科名：泌尿器科　診療科コード：310

Kコード	名称	患者数	平均 術前日数	平均 術後日数	転院率	平均 年齢	患者用 パス
K783-2	経尿道的尿管 ステント留置術	101	0.64	3.29	0	70.7
K7811	経尿道的 尿路結石除去術 （レーザー）	97	1.13	2.42	0	59.84
K8036ｲ	膀胱悪性腫瘍手術 （経尿道的手術） （電解質溶液利用）	85	1.27	3.28	0	74.71
K610-3	内シャント設置術	31	4.10	8.55	3.23	70.39
K841-21	経尿道的レーザー 前立腺切除術 （ホルミウムレーザー）	20	1	5.15	0	73.3

• 経尿道的尿管ステント留置術の患者数が101名と最も多く、次いで軽能動的尿路結石除去術、経尿道的膀胱悪性腫瘍手術となっております。
• 前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺切除術はレーザー治療を行っております。
• 膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）では、光線力学診断用薬5-アミノレブリン酸塩酸塩（アラグリオ顆粒剤）治療にも対応しております。
• 腹腔鏡下での前立腺悪性腫瘍、腎尿管悪性腫瘍、膀胱悪性腫瘍の手術も行っております。

診療科名：脳神経外科　診療科コード：150

Kコード	名称	患者数	平均 術前日数	平均 術後日数	転院率	平均 年齢	患者用 パス
K164-2	慢性硬膜下血腫 穿孔洗浄術	48	1.56	18.02	10.42	78.71
K178-4	経皮的脳血栓回収術	26	0	39.46	50	83.73
K1771	脳動脈瘤頸部 クリッピング （１箇所）	20	2.35	32.75	20	63.20
K1643	頭蓋内血腫除去術 （開頭） （脳内）	15	0.40	45.80	60	67.40
K609-2	経皮的頸動脈 ステント留置術	11	5.36	8.36	9.09	75.09

• 慢性硬膜下血腫が48名と、最も多くなっています。
• 経皮的血栓回収術や脳血管内手術、脳動脈瘤頚部クリッピング術等、様々な症例を脳卒中センターにて対応しており、即日入院・即日手術のできる体制となっております。

診療科名：内科　診療科コード：010

Kコード	名称	患者数	平均 術前日数	平均 術後日数	転院率	平均 年齢	患者用 パス
K6532	内視鏡的胃、 十二指腸ポリープ・ 粘膜切除術 （早期悪性腫瘍粘膜下層）	24	1.42	7.33	0	70.79
K721-4	早期悪性腫瘍大腸 粘膜下層剥離術	18	0.89	3.78	0	61.22
K664	胃瘻造設術 （経皮的内視鏡下胃瘻造設術、 腹腔鏡下胃瘻造設術を含む）	12	20.58	39.33	8.33	73.92
K635	胸水・腹水濾過濃縮再静注法	–	–	–	–	–
K6534	内視鏡的胃、 十二指腸ポリープ・ 粘膜切除術 （その他）	–	–	–	–	–

• 内視鏡専門医による胃や大腸の早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術（ESD）や内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（早期悪性腫瘍粘膜下層）（EMR）を行っております。
• 内視鏡による胃や大腸のポリープ切除や胆のう・胆道系疾患にも対応しております。

診療科名：外科　診療科コード：110

• 主に鼡径ヘルニアの手術を行っており、腹腔鏡下での治療も行っております。
• 虫垂や大腸癌における腹腔鏡手術も対応しております。

その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）

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DPC	傷病名	入院契機	症例数	発生率
130100	播種性血管内凝固症候群	同一	―	―
		異なる	―	―
180010	敗血症	同一	12	0.41
		異なる	―	―
180035	その他の真菌感染症	同一	―	―
		異なる	―	―
180040	手術・処置等の合併症	同一	―	―
		異なる	―	―

• 播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置等の合併症の発生率を示しています。
• 当院では敗血症が最も多くなっております。

更新履歴

• 2019/9/25　 平成30年度　病院情報公開
• 2018/10/1　 平成29年度　病院情報の公開
• 2017/9/29　 平成28年度　病院情報の公開
• 2016/11/24　改版 : 解説内容を変更
• 2016/9/30　 平成27年度　病院情報の公開